発達支援の現状と親が抱える「私の育て方が悪い?」という悩み

近年、発達支援を必要とする子どもたちの数は増加傾向にあります。厚生労働省のデータによると、児童発達支援や放課後等デイサービスなどの支援を利用する子どもは、令和7年3月時点で59.3万人に達し、9年前(平成28年度平均23.0万人)の約2.6倍に増えました。特に未就学児が通う児童発達支援の利用(延べ人数)も、同時期に約2.5倍の増加を見せています。

また、文部科学省が令和4年に公表した調査では、通常の学級に在籍する小中学生の8.8%に学習面や行動面で著しい困難を示す発達障害の可能性があるとされています。小学1年生に限るとその割合は12.0%に上り、これは1クラスに約4人の子どもが該当する計算になります。

このような状況の中、支援を利用する家庭からは「療育(※)に通っても、家では何をすればいいかわからない」という声が聞かれることがあります。そして、多くの母親が最初に口にする言葉が「私の育て方が悪かったのでしょうか」という自責の念です。夜、子どもの寝顔に「今日も怒ってごめんね」とつぶやく親御さんのために、一つの書籍と、その書籍を届けるためのプロジェクトが立ち上がりました。

発達障害の子どもの体の育て方を示す書籍カバーとメッセージ

※療育:発達に課題がある子どもに対し、社会生活や日常生活に必要なスキルを身につけさせるための専門的な支援や教育のこと。

元メガネ屋が発見した「体のサイン」とは?書籍『発達障害の子どもがみるみる変わる体の育て方』の視点

今回注目されているのは、神経発達改善トレーナーである軍場剛氏の著書『発達障害の子どもがみるみる変わる体の育て方』です。軍場氏はもともと浜松のメガネ店で視力改善に取り組み、数千人もの子どもの目の動きを観察してきました。その経験から、同じ関わり方でも変化する子とそうでない子がいることに違和感を覚え、姿勢、呼吸、口の使い方、足、感覚の偏りなど、体全体の発達に目を向けるようになりました。これまでに3,000組以上の親子と向き合ってきた経験が、本書の基盤となっています。

本書が伝えるのは、癇癪(かんしゃく)や落ち着きのなさといった「できない行動」を単なる問題として捉えるのではなく、その奥にある体と心のサインを読み解くという新たな視点です。子どもも親も責めることなく、また医療や療育を否定することもなく、家庭でできる理解と関わりを増やすための一冊として提案されています。2026年6月24日の発売後、Kindle無料キャンペーンでは総合ランキング1位と3部門での1位を獲得し、2026年7月7日時点では幼児教育カテゴリの売れ筋ランキング1位(ベストセラー)に輝いています。

発達障害の子どもがみるみる変わる体の育て方: 練習が空回りする理由は「発達の順番」にあった (ゾウさん文庫)

書籍『発達障害の子どもがみるみる変わる体の育て方』のカバー

書籍概要

必要とする親へ書籍を届けるためのクラウドファンディング

電子書籍レーベル「ゾウさん文庫」は、この書籍を本当に必要としている母親の手元へ届けるため、2026年7月7日(火)よりCAMPFIREにてクラウドファンディングを開始しました。代表の小山田景亮氏は、「本当に苦しんでいるお母さんほど、本を探す余裕がないかもしれない。だからこそ、必要としている人のもとへ届けにいく」という強い思いを語っています。

このクラウドファンディングで集められた支援金は、書籍の広告等のPR活動、Amazonでの流通拡大、そして幼稚園・保育園・支援施設・図書館への寄贈、さらには読後につながる学びの場づくりに活用される予定です。このプロジェクトが目指すのは、お母さん一人に頑張らせるのではなく、子どもの困りごとを「体と心からのサイン」として受け取れる大人を社会に増やすことです。

クラウドファンディング概要

  • 期間: 2026年7月7日(火)〜2026年8月末

  • 目標金額: 150万円(All-In方式)

  • プラットフォーム: CAMPFIRE

専門家が語る発達支援の重要性

軍場剛氏が提唱する「神経発達改善トレーナー」という役割は、子どもの神経発達の順序や特性を理解し、それに合わせたアプローチで身体的な発達を促すことを指します。これにより、例えば落ち着きのなさや感覚の偏りといった行動の背景にある身体的な要因に目を向け、根本的な改善を目指すものです。

本書が示すアプローチは、医療や専門的な療育と補完し合いながら、家庭という日常の中で実践できる関わり方を提案しています。親御さんが子どもの行動を深く理解し、適切なサポートを行うことで、子どもたちの発達をより良い方向へ導く可能性を秘めていると言えるでしょう。

まとめ

「私の育て方が悪かったのでしょうか」と自身を責める親御さんの声に応え、発達障害の子どもを持つ家庭に新たな視点と希望を届ける書籍『発達障害の子どもがみるみる変わる体の育て方』。そして、その書籍をより多くの必要とする人のもとへ届けるためのクラウドファンディングが進行中です。この取り組みは、発達支援の現状と親御さんの切実な悩みに寄り添い、社会全体で子どもたちの成長を支えるための重要な一歩となるでしょう。子どもの「困りごと」を「体と心からのサイン」として受け止め、理解を深めることで、より良い子育てのヒントが得られるかもしれません。

関連情報

発達障害の子どもがみるみる変わる体の育て方: 練習が空回りする理由は「発達の順番」にあった (ゾウさん文庫)

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77