特別支援教育の現場を変える!ICT教材eboardが自治体一括アカウント申請を開始

近年、特別支援を必要とする子どもたちの数は増加の一途をたどっています。文部科学省の調査によると、特別支援学校や特別支援学級、通級指導教室を利用する児童生徒数は過去最多を更新しており、通常の学級に在籍しながらも学習面や行動面で困難を抱える子どもたちも少なくありません。こうした状況を受け、NPO法人eboardは、特別支援教育で利用されるICT教材eboardの無償アカウントについて、自治体・教育委員会による一括申請の受付を開始しました。

これまで各学校での個別の申請が必要でしたが、この変更により、自治体全体で特別支援教育を必要とする子どもたちへの支援をより迅速かつ効率的に進めることが可能になります。本記事では、この新たな取り組みの背景と、ICT教材eboardが提供する具体的な支援内容について詳しく解説します。

特別支援教育現場の現状と「学びにくさ」への対応

日本の教育現場では、特別支援を必要とする児童生徒数の増加が顕著です。公立小中学校全体の児童生徒数が減少傾向にある中で、特別支援学校の在籍者数は約15.9万人(2025年度見込み)と過去最多を記録しています。また、特別支援学級の在籍児童生徒数も約37.3万人(2023年度)に達し、直近10年間で約2.1倍に増加しました。さらに、通常の学級に在籍しながら障害に応じた指導を受ける「通級指導」の利用者数も約23万人超と急増しています。

特別支援教育の対象児童生徒数の推移

これらの子どもたちの中には、発達障害や読みの困難(ディスレクシア)、外国ルーツなど、紙の教材や一斉指導では「学びにくさ」を感じるケースが多く存在します。このような「学びにくさ」を抱える子どもたちが、特別支援学校、特別支援学級、通級指導、そして通常の学級といった教育環境を問わず、適切な学びの機会を得られるような支援が求められています。

ICT教材eboardの「学びにくさ」を軽減する具体的な機能

NPO法人eboardは、2013年の創設以来、「学びをあきらめない社会の実現」をミッションに掲げ、全国の公立学校や家庭に無償で教材を提供してきました。特に、子どもの「学びにくさ」を軽減するための機能開発に力を入れており、月間約20万人に利用されています。

ICT教材eboardには、発達障害や学習障害など、多様な特性を持つ子どもたちが学びやすくなるための工夫が凝らされています。

ICT教材eboardの学びやすさへの工夫

「やさしい字幕」で視覚から情報をインプット

eboardの映像授業には、学習のハードルが下がるように編集された「やさしい字幕」が付属しています。これは、学びの困りごとを抱える子どもたちや、ろう・難聴の子どもたち、外国につながる子どもたちなど、音声だけに頼らず文字で情報をインプットしたい、あるいは無音で学びたいといったニーズに対応するものです。

音声読み上げ機能で「読むこと」の負担を軽減

デジタルドリルの問題文やヒント、答え、解説などは音声で読み上げることが可能です。「読むこと」に困難や苦手意識がある子どもたちにとって、耳から学ぶ選択肢は、安心して学習を進めるための大きなサポートとなります。

ふりがな機能で漢字学習の遅れをサポート

デジタルドリルの問題文、解答、解説のすべての漢字にふりがなを表示できます。文字を読むことに困難や負担を感じる子どもたちや、不登校経験、日本語支援が必要などの理由で漢字学習が遅れ、各教科の学習が進まなくなる子どもたちの学びをサポートします。

集中しやすいシンプルな動画構成

映像授業は、説明画面のみが表示され、講師は画面に登場しません。これは、人の顔があると気が散ってしまう、集中できないという特性を持つ子どもたちにも親しみやすいよう配慮されたものです。

自治体一括申請で広がる学びの機会と運用負担の軽減

今回の自治体一括アカウント申請の開始により、教育委員会が管轄する特別支援教育分野において、自治体単位でICT教材eboardを無償で利用できるようになります。これにより、多様な学びを必要とする子どもたちが、より等しく学べる環境が整うことが期待されます。

  • 対象: 全国の自治体・教育委員会

  • 対象校・学級: 特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室など

  • 費用: 無料

一括無償発行の要件として、教育委員会からの「一括申請」に基づき、自治体内の対象校・対象学級へまとめてアカウントが発行されます。また、通常のID・パスワードでの利用に加え、学校で使われているGoogleアカウントによるログインにも対応しました。さらに、「まなびポケット」との連携も可能なため、自治体ごとの運用環境に合わせて管理負担を軽減できる点も大きなメリットです。

Googleアカウント連携で運用の効率化を支援

今回の自治体一括申請の開始と同時に、ICT教材eboardは学校のGoogleアカウント(Google Workspaceアカウント)でのログインに対応しました。これにより、学校で使い慣れたGoogleアカウントを使ってeboardにログインできるため、自治体や学校におけるアカウント発行や管理の負担が軽減され、よりスムーズな導入と運用が期待されます。この機能開発は、「TIS×日本NPOセンター 助成プログラム 2025」の助成を受けて実施されました。

お問い合わせ・お申込み

自治体一括アカウントの無償発行に関するお問い合わせやお申込みは、下記フォームにて受け付けています。教育現場でのICT教材導入を検討されている方は、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

NPO法人eboardが目指す「学びをあきらめない社会」

NPO法人eboardは、貧困、不登校、発達障害など、さまざまな環境にある子どもたちが学ぶことをあきらめないよう、ICT教材eboardをはじめとしたテクノロジーを活用した解決策を提供しています。全国の子どもたちや家庭をサポートするとともに、公立学校、フリースクール、学習支援NPOと連携し、一人ひとりが自分に合った学びを実現できる社会の実現を目指しています。

ICT教材eboardは年間利用者数が176万人を超え、13,000ヶ所以上の学校や教育現場で提供されています。今回の自治体一括申請の開始は、より多くの子どもたちが質の高い学習機会にアクセスできるよう、障害福祉分野における重要な一歩となるでしょう。

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Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
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