法定雇用率2.7%時代へ!企業の障害者雇用が直面する現状と課題

2026年7月、民間企業の障害者法定雇用率は、これまでの2.5%から2.7%へと引き上げられました。しかし、この引き上げ前においても、法定雇用率を達成している企業は全体の46.0%にとどまっていました(※1)。このさらなる引き上げにより、多くの企業にとって障害者雇用のハードルは一層高まることが予想されます。

また、採用市場では精神障害のある方の新規求職申込件数が増加し続けている現状があります(※2)。これは、企業が雇用率という「量」だけでなく、障害のある方がその能力を最大限に発揮できる環境を整備するという「質」も求められる時代へと移行していることを示唆しています。

株式会社エス・エム・エスが2026年6月に実施した「障害者雇用担当者の実態調査」(※3)では、担当者の72.6%が他業務と兼務しており、社内外で相談・協力を得られる体制が整っていると回答したのはわずか35.0%でした。このような状況から、障害者雇用に関する組織課題への対応が、担当者個人に集中しやすい実態が明らかになっています。このため、多様な企業の実践事例に触れ、自社の条件を前提に相談できる場のニーズが高まっています。

  • 法定雇用率とは:企業が雇用すべき障害者の割合を定めたもので、従業員数に応じて義務付けられています。

  • 精神障害とは:心の病気や精神的な機能の障害を指し、うつ病や統合失調症などが含まれます。

  • 発達障害とは:生まれつき脳機能に特性があり、社会生活や学習において困難を抱えることがあります。自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)などが含まれます。

障害者雇用の「質」を高める実践的な知見を学ぶ無料勉強会&懇親会

本イベントでは、エス・エム・エスに在籍する2名の障害者雇用の専門家が登壇し、自社の障害者雇用組織における実践事例や具体的なノウハウを紹介します。企業の障害者雇用担当者は、事前申し込みをすれば無料で参加可能です。

  • 名称:障害者雇用の専門家に直接相談ができる勉強会&懇親会

  • 日時:2026年7月30日(木)16:00~

  • 会場:株式会社エス・エム・エス 本社(東京都港区芝公園2-11-1 住友不動産芝公園タワー)

  • 対象:企業の人事担当者、障害者雇用担当者、経営層

  • 参加費用:無料(事前登録制)

  • 定員:20社(満了次第締め切り予定)

  • 申込方法:下記URLの申込フォームよりお申し込みください。

エス・エム・エスの約90名規模の障害者雇用組織「シェアードサービスグループ」の実践事例

イベントの第1部では、エス・エム・エスが2018年に立ち上げた社内障害者雇用組織「シェアードサービスグループ」の取り組みが紹介されます。現在、この組織は精神・発達障害のある方が約9割を占める約90名規模に成長し、500種類以上の業務切り出しを通じて全社の生産性向上に貢献しています。

当日は、同組織の立ち上げから運用の中で培われた実践的な知見が、採用から定着、活躍推進、組織運営に関するリアルなノウハウとして共有されます。

現場のリアルな課題を解決!登壇者クロストークと個別相談会

第2部では、2名の登壇者によるクロストークと質疑応答が行われます。当事者、支援者、企業担当者それぞれの立場から、現場で起きていること、成功事例、そして失敗から学んだことが率直に語られ、参加者からの質問にもその場で回答されます。

第3部の懇親会では、登壇者や同じ悩みを持つ他社の障害者雇用担当者と直接交流し、個別の相談も可能です。日頃の疑問や課題を直接専門家にぶつけられる貴重な機会となるでしょう。

登壇者

  • 佐々木 一哉氏:株式会社エス・エム・エス シェアード推進部 シェアードサービスグループ 責任者。障害者雇用組織の責任者として、3年間で80名以上の採用を実現。精神・発達障害のあるメンバーが9割を占める集合配置型組織を牽引し、500種類以上の業務切り出しと全社の生産性向上に貢献しています。

  • 光武 克氏:株式会社エス・エム・エス ウェルビーイング支援事業本部 障害者福祉支援部 マーケティンググループ 他(兼務)。障害者雇用を軸とした人的資本経営のコンサルティングに従事。個人活動としてYouTubeチャンネル「ポンコツニュース」を運営し、精神・発達障害に関する情報を多角的に発信しています。

障害者雇用支援ブランド「かべなし」が目指す未来

エス・エム・エスは今後も、セミナーや勉強会を通じて、障害者雇用に取り組む企業の担当者が実践事例に触れ、情報交換や課題相談ができる場を継続的に提供していくとのことです。企業の雇用率達成に留まらず、障害のある方が能力を発揮できる職場環境で安心して活躍し続けられる「質の高い障害者雇用」の環境づくりを支援していく方針です。

また、「かべなし」の一連の事業活動を通じて、「障害によって生きづらさを抱えている人たちのウェルビーイング向上」に貢献していくことをミッションとして掲げています。

  • ウェルビーイングとは:身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念です。

  • 障害の社会モデルとは:障害を個人の問題ではなく、社会の側にある障壁(物理的、制度的、文化的など)によって生み出されるものと捉える考え方です。「かべなし」というブランド名も、この「社会的障壁(かべ)をなくす」というコンセプトに基づいています。

「かべなし」の法人向け障害者雇用支援サービスでは、企業の抱える課題をヒアリングから実装まで支援し、コンサルティング、研修、採用、定着支援など、障害者雇用を取り巻く課題に対するソリューションを一貫して提供しています。

参考情報

  • ※1:厚生労働省「令和7年 障害者雇用状況の集計結果」

  • ※2:厚生労働省「令和6年度 障害者職業紹介状況等」p.5

  • ※3:株式会社エス・エム・エス「【障害者雇用担当者の実態調査】」

今回の勉強会と懇親会は、法定雇用率引き上げという大きな変化の中で、企業が質の高い障害者雇用を推進するための具体的なヒントを得る絶好の機会です。障害者雇用に関する課題を抱えている企業担当者や経営層の方は、ぜひ参加を検討してみてはいかがでしょうか。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77