変化を続ける活動領域とCollableの専門性:インクルーシブデザインとファシリテーション

Collableは設立当初、まだ「インクルーシブデザイン」という言葉が広く知られていなかった時代に、障害の有無にかかわらず子どもたちが共に参加できるワークショップの企画・運営を中心に活動していました。

しかし、10年以上が経過した現在、その活動領域は大きく広がっています。企業や自治体、ミュージアムなどの文化施設との「インクルーシブデザイン」プロジェクト、ウェブアクセシビリティ支援、そして「インクルーシブ・ファシリテーション」の実践と普及など、多岐にわたる専門性を持つ団体へと進化しました。

Collableが現在専門としているのは、単に多様な人々を集めることだけではありません。立場や経験、特性の異なる人々が参加し、意見を交わし、共に考えられるよう、場やプロセス、情報、仕組みといった「環境」を設計することに重点を置いています。

専門用語解説

  • インクルーシブデザイン: 年齢、性別、能力、経験など、多様な人々が参加し、利用しやすい製品やサービス、環境を最初から設計する考え方です。特定の利用者に限定せず、誰もが使いやすいデザインを目指します。

  • インクルーシブ・ファシリテーション: 会議やワークショップなどで、多様な背景を持つ参加者全員が安心して意見を出し合い、それぞれの声が尊重されながら合意形成できるよう、進行を支援する技術や役割を指します。

  • ウェブアクセシビリティ: ウェブサイトやウェブコンテンツを、障害の有無や利用環境にかかわらず、誰もが容易に情報にアクセスし、利用できるようにすることです。視覚障害者向けの読み上げ機能対応や、キーボード操作のみでの利用などが含まれます。

新しいロゴに込められた「隣にいなくても、ともにある」関係性

今回のリニューアルで発表された新しいロゴは、これまでの「共につくる」姿勢を受け継ぎつつ、多様な人々の参加を可能にする環境やプロセスを設計する専門性、そして領域や立場を超えて人々をつなぐ軽やかさを表現しています。

Collable新旧ロゴの比較

新しいロゴと旧ロゴに共通しているのは、「Collable」の綴りの中にある3つの小文字の「l」です。従来のロゴでは、この「l」を人に見立てて顔を描き、隣り合う二つをつなげることで、多様な人々が隣り合い、共にいる姿を表現していました。

新しいロゴでは、顔のモチーフを手放し、3つの「l」を同じかたちにそろえながらも、筆記体のループによるつながりを受け継いでいます。これにより、隣り合う「l」だけでなく、綴りの中で少し離れた位置にある「l」も同じかたちで呼応させ、「隣にいなくても、ともにある」という関係性を表現しているとのことです。

配色は、これまでのロゴの色彩を受け継ぎつつ、現在の活動に合わせて調整されています。ひと続きの線で流れるように描かれた文字には、Collableが培ってきた価値や考え方を、軽やかに、より幅広い人々へ届けていく姿勢が込められています。このロゴデザインは、デザイナーの阿部航太氏が手がけました。

障害福祉の共創を加速する新ウェブサイトのポイント

新しい公式ウェブサイトは、現在のCollableの活動や専門性、活動の背景にある考え方をより正確に伝え、相談や協働につながる場となることを目指し、情報構成とデザインが全面的に見直されました。

Collable公式ウェブサイト

主な変更点は以下の3点です。

  1. 現在の事業内容を再整理
    デザインリサーチ&コンサルティング、講座・プログラム、研究活動の3つを軸に事業内容を整理。インクルーシブデザインやインクルーシブ・ファシリテーションが各事業でどのように実践されているかが伝わる構成になっています。どのような課題について相談できるのか、Collableがプロジェクトのどの段階に関われるのかも具体的に示されています。

  2. Collableの考え方と専門性を言語化
    「コラブルについて」のページ内容が大幅に拡充され、Collableが向き合っている社会課題や、「ためにから、ともにへ」という言葉に込めた考え方が紹介されています。また、これまでの実践をもとに、インクルーシブ・ファシリテーションやインクルーシブデザインをどのように捉え、プロジェクトを通じてどのような変化を生み出そうとしているのかが、改めて言語化されました。

  3. これまでの歩みと協働の広がりを可視化
    団体概要ページでは、これまでに協働してきた企業、自治体、文化施設、教育・研究機関、NPOなどが分野別に紹介されています。これにより、個別の事例だけでは伝えきれなかったCollableの活動領域の広がりと、セクターを超えて協働を重ねてきた歩みが可視化されています。

「ためにから、ともにへ」を具現化するCollableの未来

代表理事の山田小百合氏は、今回のリニューアルについて「単に見た目を新しくするものではなく、これまで積み重ねてきた実践や専門性を見つめ直し、現在のCollableをあらためて言葉とかたちにしたものです」とコメントしています。そして、「新しいロゴとウェブサイトが、これまで関わってくださった皆さまに私たちの現在地をお伝えするとともに、新たな対話や協働が始まるきっかけになれば」と、未来への期待を語っています。

Collableの理念である「ためにから、ともにへ」は、誰かのために一方的につくるのではなく、さまざまな立場の人々と共に考え、共につくるという姿勢を意味します。この変わらない姿勢が、新しいロゴとウェブサイトを通じて、より多くの人々に届き、新たな共創の機会を生み出すことが期待されます。

特定非営利活動法人Collableとは

Collableは、「ためにから、ともにへ」という理念のもと、障害の有無や立場、経験の違いを超えて、多様な人々が社会やものづくりのプロセスに参加できる環境をつくるNPO法人です。企業、自治体、文化施設などと協働し、インクルーシブデザインプロジェクトの企画・実施、対話や共創の場の設計・ファシリテーション、ウェブアクセシビリティ支援などに取り組んでいます。

  • 法人名:特定非営利活動法人Collable

  • 代表理事:山田小百合

  • 所在地:東京都文京区

  • 設立:2013年5月1日

  • 事業内容:インクルーシブデザイン、インクルーシブ・ファシリテーション、ウェブアクセシビリティ支援ほか

  • 公式ウェブサイト:https://collable.org

今回のロゴとウェブサイトのリニューアルは、Collableがこれまでに培ってきた専門性と、未来へ向けた強い意志を示すものです。障害福祉分野に関心のある方々にとって、Collableの活動は、多様な人々が共に生き、活躍できる社会を築くための重要なヒントとなるのではないでしょうか。ぜひ新しいウェブサイトを訪れ、その活動に触れてみてください。

【本件に関するお問い合わせ】
特定非営利活動法人Collable
Email:info@collable.org

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Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
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