発達障害の新たな視点!久米康宏氏の新著が北陸の学校現場へ

久米康宏氏は、精神科医・産業医として年間1万人を診察し、クメンタクリニック院長も務める人物です。元・復興庁健康管理医としての経験を持ち、現在は「10年後に小学校プロジェクト」を始動させるなど、多岐にわたる活動を展開しています。

自身のADHD(注意欠如・多動症)とASD(自閉スペクトラム症)の特性を持つ当事者としての経験と、精神科医としての専門知識を融合させ、発達障害を「できないこと」ではなく「社会の中で生かせる強み」として捉える本書を執筆しました。

今回の書籍寄贈は、北陸復興こども音楽キャラバン&発達支援講演会の開催に向けた取り組みの一環でもあります。書籍には、この講演会の映像を視聴できるQRコードも掲載されており、活字だけでなく映像からも実践的な学びを得られるよう工夫されています。

なぜ今、発達障害の理解が重要なのか?能登半島地震後の北陸支援と学校現場の課題

発達障害やグレーゾーンの特性を持つ子どもたちは、学校生活において、忘れ物の多さ、集中力の維持の難しさ、予定変更への不安、人間関係でのつまずき、感覚過敏による疲労など、様々な困りごとを抱えることがあります。これらは、単なる努力不足やわがままではなく、生まれつきの脳の働き方の違いに起因することがあります。

一方で、発達障害の特性は、適切な環境と理解があれば、行動力、発想力、集中力、観察力、誠実さ、危機察知能力といった強みへと転じる可能性も秘めています。

日本小児科学会の調査によると、小中学校・特別支援学校の教職員のうち、医療との連携が機能していると感じている割合は10%未満と報告されており、学校現場における発達支援の課題が浮き彫りになっています。

能登半島地震以降、北陸地域では子どもたちの生活環境や学校現場、地域社会に大きな負荷がかかっています。このような状況下だからこそ、子どもたち一人ひとりの特性を理解し、支えるための知識を学校現場に届けることの重要性が高まっています。本書の寄贈が、教職員、支援者、保護者、そして子どもたち自身にとって、発達障害への理解を深める一助となることが期待されます。

書籍と連携!発達支援講演会動画で実践的な学びを深める

『発達障害は最強のスキル』には、北陸復興支援イベントで実施される発達支援講演会の映像を視聴できるQRコードが掲載されています。この講演会では、発達障害の子どもたちとの具体的な向き合い方、学校現場で生じやすい困りごとへの対処法、保護者対応、医療機関との連携、そして二次障害(発達障害の特性から生じる精神的な不調など)を防ぐための視点などが扱われる予定です。

書籍で基礎知識を学び、さらに講演会動画で実践的な内容を深めることで、学校現場でのより効果的な支援につながることが期待されます。

「発達障害は最強のスキル」書籍概要と著者の想い

本書は、発達障害・グレーゾーンかもしれないと感じている人、発達障害のある子どもや大人を支える人、学校や職場で特性のある人と関わるすべての人に向けた一冊です。発達障害を「治すべき欠点」としてではなく、「生まれもった脳の個性」として捉え、その特性をどう理解し、環境を調整し、強みに変えていくかを具体的に解説しています。

主な内容は以下の通りです。

  • 発達障害が仕事の武器になり得る理由

  • ADHDの行動力、発想力、突破力を生かす方法

  • ASDの集中力、こだわり、危機察知能力を生かす方法

  • ADHDとASDの特性を持つ人々が協力することで生まれるチームの可能性

  • 遅刻、忘れ物、睡眠、感覚過敏、片づけなど、日常生活の困りごとへの具体的な解決策

著者である久米康宏氏自身もADHDとASDの特性を持つ当事者です。精神科医として多くの発達障害の方と向き合ってきた経験と、自身の当事者としての経験の両方から、特性を「困りごと」で終わらせずに社会で生かすための実践的な方法をまとめています。

本書には、株式会社圓窓 代表取締役の澤円氏と、組織学習経営コンサルタントの池本克之氏から推薦コメントが寄せられています。

「ADHD当事者のボクにとって、最高の応援をいただきました!」
澤 円(株式会社圓窓 代表取締役)

「そうか!できない自分は武器になるのか!」
池本 克之(組織学習経営コンサルタント)

これらの推薦コメントは、本書が医学的解説にとどまらず、当事者の自己理解、働き方、社会参加、教育現場での支援に向けた実践的なメッセージを持つことを示唆しています。

書籍を持つ久米康宏氏

書籍情報

  • 書名: 発達障害は最強のスキル:発達障害・グレーゾーンかも?と思った人が成功する

  • 出版社: Gakken

  • 発売日: 2026/7/2

  • Amazon紹介ページ: https://amzn.asia/d/0j2L7P5d

著者 久米康宏氏の関連情報

北陸復興支援イベントとクラウドファンディング

書籍の寄贈と並行して、「北陸復興こども音楽キャラバン&発達支援講演会」が開催されます。このイベントは、能登半島地震からの復興支援として、北陸三県の子どもたちに音楽を通して元気と希望を届け、教育文化的支援を行うことを目的としています。

また、プロの演奏家と地域の音楽教諭によるコラボ演奏を通じて、音楽教諭の活躍の機会と横の連携の創出も目指します。さらに、発達障害の子どもたちへの対応に関する教育現場の知識不足を解消し、円滑な発達支援を実現するための一助となることも目的の一つです。

本イベントは対象者を無料で招待するボランティア形式で、開催費用の調達のためクラウドファンディングを実施していました。プレスリリース配信時点では、目標額300万円に対し約150万円が集まっており、2026年6月30日まで支援を募っていました。

北陸復興こども音楽キャラバン&発達支援講演会 概要

  • 主催: 復興支援イベント実行委員会

  • 後援: 富山県、富山市、富山市教育委員会、石川県、金沢市、福井県、鯖江市、鯖江市教育委員会

  • URL: https://revival-event.com/

  • 対象

    • 音楽キャラバン:地元の小学生と保護者

    • 発達支援講演会:地元の教員(小・中・高・特別支援学校)

  • 費用: 無料

  • 会場・日時

    • 7月30日(木)富山市オーバード・ホール(中ホール)

    • 7月31日(金)金沢市アートホール

    • 8月1日(土)福井市フェニックス・プラザ(小ホール)

  • 時間

    • 音楽キャラバン 13:00開場 13:30開演 15:00終了

    • 発達支援講演会 16:30開場 17:00開演 18:30終了

復興支援イベント関連情報

まとめ

久米康宏氏の新著『発達障害は最強のスキル』の発売と、北陸三県の全公立学校への寄贈は、発達障害・グレーゾーンの子どもたちへの理解を深め、学校現場での支援を強化するための重要な一歩となるでしょう。能登半島地震後の復興支援と連携したこの取り組みは、子どもたち一人ひとりが持つ可能性を最大限に引き出すための社会全体の意識変革にも寄与することが期待されます。

発達障害は、適切な理解と支援があれば、個人の強みとして社会で大きく花開く可能性を秘めています。この書籍と関連イベントが、その実現に向けた具体的な道筋を示すものとなることを願います。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77