精神障害・発達障害のある方の職場における主な悩み
職場での最大の悩みは「対人関係・コミュニケーション」
調査によると、職場での困りごととして最も多かったのは「対人関係・コミュニケーション」で36.3%でした。一方、「業務内容や業務量」に関する悩みは4.7%にとどまり、業務そのものよりも職場環境や人間関係の課題が大きいことが明らかになっています。

また、「職場の理解や障害への配慮不足」(14.7%)も上位に挙げられており、周囲の理解促進や良好な人間関係の構築が、精神障害・発達障害のある方にとって重要な課題であることがうかがえます。このことから、「仕事そのもの」以上に「周囲との関係性」が就労上の大きな課題となっている実態が示されました。
障害開示に踏み切れない理由「偏見への恐れ」「キャリア形成への不安」
現在、職場で障害を開示して働いている方は51%である一方、「開示したいと思っているが開示していない」と「開示するつもりはない」を合わせると49%に達します。開示しない、またはためらう理由としては、「職場の理解や障害への配慮不足」(6.3%)、「キャリアプランや収入への不安」(5.7%)が目立ちます。

具体的な声として、「どう思われるか、ということがどうしても気になってしまう」(30代・男性)、「今後のキャリアや給与に響くので」(40代・女性)といった意見が寄せられており、障害開示に対する心理的・環境的なハードルの存在が浮き彫りになりました。
障害開示のメリットと課題
開示による「合理的配慮」の活用と心理的負担の軽減
障害を開示した方からは、「無理をさせられそうになった時に、無理ができない正当な理由として説明できる」(30代・女性)、「隠して働く心理的負担が減り、周囲の理解を得ながら安心して働ける」(30代・女性)、「苦手なことを理解してくれる」(40代・男性)といった肯定的な声が寄せられています。
特に、障害への理解がある職場では、個々の特性に応じた業務調整が行われており、障害開示が働きやすさの向上につながっている様子がうかがえます。
一方で残る「不利な扱い」への懸念
障害の開示状況別の困りごとを見ると、開示しているかどうかにかかわらず、「対人関係・コミュニケーション」が上位を占めています。しかし、開示したいが開示していない、または開示するつもりのない方では、「キャリアプランや収入への不安」や「休みがとりにくい」といった項目が、開示している方よりも高い割合で挙げられています。

この結果は、障害を開示しない背景に、依然として「不利な扱いを受けるのではないか」という懸念や、キャリア形成への不安が大きく影響していることを示唆しています。
誰もが安心して働ける職場環境のために
専門機関の活用と企業側の取り組みの重要性
今回の調査結果から、障害開示や職場での円滑なコミュニケーションが、働きやすさに大きく影響することが明らかになりました。当事者が一人で情報収集や職場環境の改善に取り組むことには限界があります。
ハローワークの障害者窓口や、障害者雇用に特化した就労支援サービスなどの専門機関を活用することが有効です。また、企業側も、対話しやすく相互理解を促進する職場環境づくりを進めていくことが重要です。例えば、障害者雇用支援事業を展開するパーソルダイバース株式会社では、障害者のための転職・就職エージェント「dodaチャレンジ」などを提供しています。
- パーソルダイバース株式会社について: https://persol-diverse.co.jp/
パーソルダイバース戸田氏による考察
パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャーの戸田幸裕氏は、今回の調査結果について、「会社に障害を開示したいと思っているが開示していない方が少なからずいること、そして障害を開示していない方の多くが『理解されないのではないか』『評価やキャリアに影響するのではないか』といった不安を抱えていることが印象的だった」と述べています。
戸田氏は、転職支援の現場では、障害の有無そのものよりも、企業が個々の特性を理解し、必要な配慮について対話できる環境かどうかが、就業後の定着や活躍を大きく左右すると感じているとのことです。開示か非開示かを無理に二択で考える必要はなく、開示する相手や範囲を調整しながら、自分に合った働き方を模索する方法も提案されています。
「大切なことは、一人で悩みを抱え込まないことです。自分の特性や希望を整理しながら、安心して働ける環境を模索するために、信頼できる相手に相談したり、支援を活用することも有効な方法です。自分らしくはたらける職場との出会いが、長期的なキャリア形成につながると考えています」と戸田氏はコメントしています。
調査概要
本調査は、精神障害または発達障害のある方で、正社員・契約社員・派遣社員としての就業経験がある300名を対象に、2026年5月15日にインターネットアンケート調査(Freeasy)にて実施されました。

関連情報
今回の調査結果に関する詳細は、以下のリンクよりご確認いただけます。
- 「dodaチャレンジ」調査結果詳細: https://doda.jp/challenge/contents/column/301.html

