重症心身障がい児と家族が「無料招待」で野球観戦!VISH株式会社とCOCOLONがパートナー契約を締結、インクルーシブな社会貢献イベントを実現

重症心身障がい児と家族のための野球観戦

特定非営利活動法人EPOが運営する、重症心身障がい児と家族のためのコミュニティ「COCOLON」は、重症心身障がい児とそのご家族を対象とした野球観戦イベントにおいて、VISH株式会社とパートナー契約を締結しました。

このパートナー契約により、イベントは「無料招待」での実施が決定。普段、外出やスポーツ観戦に多くのハードルを感じている重症心身障がい児とそのご家族が、安心して野球観戦を楽しめる機会が提供されます。インクルーシブな社会の実現に向けた、注目の取り組みです。

重症心身障がい児と家族のための野球観戦イベント、無料招待が実現する背景

「すべての子どもたちに野球観戦の体験を」という想いのもと、COCOLONが企画したこのイベントは、VISH株式会社の協賛によって、参加費の無償化が実現しました。

重症心身障がい児とは、重度の身体障がいと重度の知的障がいを併せ持つ子どものことです。多くの場合、日常的にたんの吸引や経管栄養などの医療行為が必要な医療的ケア児でもあり、外出には特別な配慮が求められます。

本イベントは、このような子どもたちとそのご家族が、周囲を気にすることなく、家族みんなで野球観戦を楽しめることを目指しています。

家族での野球観戦を阻む「見えない壁」とは?

重い障がいのある子どもとご家族にとって、プロ野球などのスタジアム観戦には、想像以上に多くのハードルが存在します。主な課題として、以下の3点が挙げられます。

【座席の壁】家族が離れて観戦しなければならない実情

多くの球場の車いす席は「本人+介助者1名まで」と制限されています。そのため、3人以上の家族で一緒に並んで観戦することが難しく、家族が離れて観戦せざるを得ないケースが多くあります。

【防災・構造の壁】車いすでの入場・待機ルートの制限

車いす席以外のボックス席や一般席で観戦する場合、非常時の避難ルート確保や消防法・球場ルールの観点から、自身の車いすやバギーを客席近くまで持ち込めないことがあります。

【医療的ケア・見守りの壁】周囲への影響や長時間外出への不安

人工呼吸器などの医療機器の置き場、ユニバーサルシートのような大きなおむつ交換スペースの有無、そして障がいのある兄弟姉妹を持つ子どもたち(きょうだい児)の見守りや、買い物中のサポート体制が整っていないことが、外出を諦める大きな要因となっています。

楽天モバイル最強パーク宮城で実現する「当たり前」の野球観戦

COCOLONでは、これらの課題を一つひとつクリアし、ご家族が「当たり前に」一緒に楽しめる環境を整えました。イベント会場となる楽天モバイル最強パーク宮城では、以下の解決策が提供されます。

フラットシートとグループシートの活用

楽天モバイル最強パーク宮城には、人工芝のフラットシートである「セブン-イレブン・ピクニックボックス」があります。このフラットシートは、医療機器の置き場や抱っこでの観戦、さらに横になっての観戦も可能にします。

人工芝の通路と階段が特徴的なスタジアムの観客席エリア

また、車いす席のすぐ前には「セブン-イレブン・グループシート」が設置されており、家族が前後で近い目線で一緒に観戦できる環境が整えられています。

赤いベンチとテーブルがある指定席のグループシート

事前調整による環境整備と手厚いスタッフサポート

球場および関係各所と事前に調整を行い、車いすやバギーの安全な置き場、おむつ交換がスムーズに行える環境と動線を準備しました。

さらに、COCOLONとファミケアのスタッフ、ボランティアが現地で手厚いサポートを提供します。

  • 集合場所から観戦座席までの移動・案内

  • お子様の見守り、遊び相手

  • スタジアムグルメの買い物代行

  • おむつ交換の案内・補助

組数限定で、東京からの参加者には仙台までの新幹線移動サポートも実施されます。

パートナー企業VISH株式会社「コノベル」が語るイベントへの想い

VISH株式会社の「コノベル」プロダクトマネージャーである柳田翔悟氏は、本イベントへの参画について、次のようにコメントしています。

「重症心身障がい児・医療的ケア児の子どもたちやそのご家族にとって、『家族みんなで出かける』『一緒にスポーツを観る』といった時間を楽しむためには、移動や座席、医療機器を使用できる環境、体調への配慮など、さまざまな準備や不安が伴うことがあります。私たちコノベルは普段、スマートフォンアプリを通じて、ご家族と支援者の皆様の日々のコミュニケーションや、重症心身障がい児・医療的ケア児を支える事業所の記録・業務をご支援しています。ICTで便利にできることがある一方、それだけでは解決できないことも数多くあると感じています。だからこそ今回、重症心身障がい児と家族・きょうだい・支援者のためのコミュニティを運営するCOCOLON、疾患児・障がい児家族の毎日を楽しく!を掲げるファミケアとともに、子どもたちやご家族、きょうだい、支援者の皆様が、周囲を気にすることなく思いっきり楽しめる時間と場所をつくるお手伝いができることを、とても嬉しく思っています。このイベントで過ごす時間が、参加される皆様にとって『楽しかったね』『またみんなで行きたいね』と思える思い出のひとつになれば、これほど嬉しいことはありません。本パートナーシップを通じて、重症心身障がい児・医療的ケア児の子どもたちと、そのご家族・きょうだいを取り巻く『遊び』や『お出かけ』の選択肢が、これからもっと当たり前に広がっていく社会に少しでも貢献できるよう、私たちコノベルも一緒に歩んでまいります。」

児童発達支援・放課後等デイサービス向けシステム「コノベル」

コノベルのロゴマーク

VISH株式会社が提供する「コノベル」は、「子どもたちを中心に、関わる人全てに笑顔とゆとりを」をコンセプトにした、児童発達支援・放課後等デイサービス向けの低価格クラウドサービスです。アプリを通じて保護者と療育職員の日々のコミュニケーションをデジタル化し、職員の働き方改革に貢献しています。

イベント開催概要と関連団体情報

イベント開催概要

イベントタイトル 重症心身障がい児と家族のための野球観戦
開催日 2026年9月4日(金)、5日(土)
時間 18:00試合開始
場所 楽天モバイル最強パーク宮城
定員 各日 10組40名
参加費 無料招待
協賛 VISH株式会社
特別後援 公益財団法人JKA
主催 COCOLON【特定非営利活動法人EPO】
共催 ファミケア【株式会社NEWSTA】
イベントURL https://co-co-lon.com/event/ballpark/

本イベントは公益財団法人JKA、オートレースの補助を受けて実施されます。

疾患・障がい児家族向けブランド「ファミケア(famicare)」

famicareのロゴマーク

「疾患児・障がい児家族の毎日を楽しく。」をコンセプトに、特性のある子と家族の「楽しい!」を生み出すブランドです。情報サイト・相談QAアプリ・支援検索サービスを通じて、子育ての「困った」の解決と「楽しい」のヒントを届けています。指定難病の子を育てる母親の想いから生まれ、当事者家族と専門家が共にコンテンツを制作しています。

重症心身障がい児と家族のためのコミュニティ「COCOLON」

COCOLONのロゴマーク

重症心身障がい児に関する「つながり」「学び」「遊び」「楽しみ」が詰まった、重症心身障がい児に関わるすべての方のコミュニティです。障がいの有無に関係なく参加できるさまざまな企画やイベントを通じて、交流や情報交換の場を提供しています。2025年には、第19回キッズデザイン賞〈奨励賞〉、令和7年度東京都女性活躍推進大賞〈大賞〉を受賞しています。

特定非営利活動法人EPO

緑色のロゴマーク

2015年4月に設立され、2016年より重症心身障がい児を対象とした児童発達支援・放課後等デイサービス「ここね」を運営し、東京都足立区・江戸川区で4事業所を展開しています。また、重症心身障がい児と家族・きょうだい・支援者のためのコミュニティ「COCOLON」を運営しており、キッズデザイン賞や東京都女性活躍推進大賞を受賞しています。

まとめ:インクルーシブな社会実現への一歩

今回の「重症心身障がい児と家族のための野球観戦」イベントは、VISH株式会社とCOCOLONのパートナーシップにより、多くの家族が抱える課題を具体的に解決し、誰もが楽しめる機会を提供します。このような取り組みは、障がいの有無に関わらず、すべての人が社会の一員として豊かに暮らせるインクルーシブな社会の実現に向けた、大きな一歩と言えるでしょう。今後も、このような社会貢献活動が広がり、より多くの人々が「当たり前」に楽しめる選択肢が増えることに期待が寄せられます。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77