障害福祉、介護、病気の複雑な制度を「横断」でサポートする新ツール

「想ひ人ケアガイド」は、「何から始めればいいか、わからない人へ」をコンセプトに、病気・障害・介護に直面した本人や家族が、状況に応じて利用できる制度・支援策・相談先・次に取るべき行動を整理できるWebアプリです。LINE公式アカウントから登録不要・無料で利用でき、数問の基本質問に3分で答えるだけで、自分に合った情報を得ることができます。

開発の背景には、代表の金子萌氏が14年間、父親の若年性認知症の介護を通じて直面した「制度はあるのに、必要な人に届いていない」という構造的な問題があります。医療保険、介護保険、障害福祉、難病、税、労働など、多岐にわたる制度の窓口を自力で回り、知らなかったために多くの支援を取り逃がしてきた経験が、このケアガイド開発の原点となっています。

「何から始めればいいか分からない」障害福祉の悩みを解消する3つの入口

介護に直面した家族が特に困るのは、以下の3つの「わからない」だと言われています。

  1. どんな制度が使えるかわからない:介護保険、医療保険、障害福祉、自治体独自の施策、年金、税控除など、制度が分散しており、横断的に把握する手段がありません。
  2. 何から手を付けるべきかわからない:申請の順序や緊急度、必要書類が不明なまま、最適な申請タイミングを逃してしまうことがあります。
  3. どこに相談すべきかわからない:区役所、地域包括支援センター、専門職、医療相談員など、適切な相談先がわからず、たらい回しや情報が断片化してしまうケースが見られます。

「想ひ人ケアガイド」は、これらの課題を解消するために設計されており、利用者の状況に応じた3つの入口が用意されています。

  • いま困っている方向け:制度・相談先・今やることを知りたい方が、自身の状況を伝えることで、利用できる可能性のある制度が整理されます。

  • 将来に備えたい方向け(そなえチェック):親の介護に備え、リスクやお金の確認をしたい方が、かかりつけ医・服薬情報・重要書類・家族分担などを整理できます。

  • まず相談したい方向け(AI相談):何から考えればいいか分からない方が、AIが状況を整理し、必要な入口を案内します。AIは情報整理・一般的な案内・次の相談先の整理のための機能であり、専門家の代替ではありません。

3分でわかる!スマホで完結する「想ひ人ケアガイド」の画期的な機能

「想ひ人ケアガイド」は、その使いやすさにもこだわっています。主な特徴は以下の通りです。

  • 段階的な質問で、必要な情報だけ整理
    最初の数問の基本質問に答えるだけで、利用できる可能性の高い制度を提示します。さらに詳細な情報が必要な場合は、追加質問に進むことで、費用や住まい、具体的な行動まで整理できます。

  • 3分・スマホで使える
    基本質問は3分で回答可能で、スマートフォン一つでいつでもどこからでも利用できます。

  • 結果ページは「概要」「お金」「制度」「行動」の4タブで整理
    最終結果ページでは、利用者の状況が以下の4つの観点から整理されて表示されます。

    • 概要:状況のサマリーと優先度の高い制度・手続き

    • お金:月額費用、自己負担率、貯蓄持続見込み、住まい別費用比較、制度適用による影響

    • 制度:利用できる可能性のある制度をカテゴリ別に整理(該当する可能性が高い制度を優先表示、出典明示)

    • 行動:今すぐ動くべき手続きを緊急度別・時系列で提示

想ひ人ケアガイドの実際の画面イメージ

  • 全制度に出典明示
    各制度には、根拠となる法令条項が明示されており、利用者が一次情報源で確認できます。

  • 中野区独自施策にも対応
    国・都・自治体の施策を横断的に提示するため、東京都中野区の独自施策にも対応しています。今後は対応自治体を広げていく予定です。

  • 完全無料で利用可能
    住民・利用者は無料でサービスを利用できます。介護や病気で大変な状況にある方が、経済的な理由で支援につながれない事態を防ぐためです。

専門家の知見を結集!12,000件以上の相談実績から生まれたロジック

「想ひ人ケアガイド」の基盤となっているのは、副代表の山崎宏氏(社会福祉士)が24年間で携わってきた12,000件以上の相談支援の現場ノウハウです。山崎氏の豊富な経験に基づき、利用者の状況・年齢・疾患・本人/家族視点などからペルソナを判定し、それぞれに応じた制度・支援策を提示するロジックが設計されています。

このケアガイドは、以下のような方をターゲットユーザーとして想定しています。

  • 親が脳卒中や骨折などで入院し、退院後の生活や介護体制を短期間で決める必要がある家族。

  • 親のもの忘れや判断力低下が心配で、金銭管理や契約、見守りなどを整理したい家族。

  • 40〜64歳の親や家族が、末期がんや特定疾病、進行性難病などで介護保険や障害福祉の対象になる可能性があるケース。

  • ALS、筋ジストロフィー、パーキンソン病などの進行性難病があり、制度・障害福祉・就労・住まいを整理したい本人。

  • がん治療中で、医療費・所得補填・仕事との両立に課題がある本人。

  • 親がまだ元気な段階から、介護・お金・住まい・家族分担を考えたい家族(将来備え)。

介護がすでに始まった家族だけでなく、将来に備えたい方や、何から始めればよいか分からない方にも対応できるよう設計されています。

孤独・孤立対策にも貢献!堺市実証で確認された「想ひ人ケアガイド」の有効性

2025年(令和7年度)、株式会社想ひ人は大阪府堺市の「公民連携実証プロジェクト推進事業」に採択され、堺市、株式会社想ひ人、株式会社Empathy4uの三社連携協定として実証実験を行いました。この実証では、ケアガイドの機能をベースに、「制度のはざま」にいる潜在層に対する相談支援ツールとしての有効性が確認されました。

ケアガイドは介護家族向けに開発されたものですが、「制度の縦割り」や「制度のはざまにいる潜在層への接続」という課題は、孤独・孤立対策とも密接に関連しています。堺市での実証で得られた知見と、孤独・孤立領域での有効性確認は、ケアガイドの本格リリースを後押しするものとなりました。

無料で利用できる「想ひ人ケアガイド」の持続可能なビジネスモデル

「想ひ人ケアガイド」は、住民・利用者には完全無料で提供されます。これは、介護や病気で大変な状況にある方が、経済的な理由で支援から遠ざかってしまう事態を避けるためです。サービスの運営は、自治体(B2G)および企業福利厚生(B2B)との連携によって支えられています。

自治体には、住民への制度横断ナビゲーション機能を提供することで、地域包括支援センターなどの業務負担軽減と、住民の支援接続率向上の両立を目指します。

今後の展望:地域連携と機能拡張で「ケアのある人生を愛せる社会」へ

株式会社想ひ人は、今後も「想ひ人ケアガイド」の発展と社会実装を進めていきます。

  • 東京都中野区との連携:東京都中野区との「中野区地域包括ケア推進パートナーシップ(NIC+)協定」を締結しており、中野区独自の施策を含めた、国・都・自治体施策の横断的な提示を行うフィールドとして、サービスを展開していきます。

  • 機能拡張ロードマップ:今後は対応ペルソナの拡充や、対応自治体の拡大を段階的に進める予定です。

  • 研究プロジェクトとしての位置付け:2026年5月から3年間、トヨタ財団の特定課題助成(800万円)を受けて、AIを活用したハイブリッド型孤独・孤立対策の研究プロジェクトとして、社会実装を進めていく計画です。

株式会社想ひ人は「ケアのある人生を 愛せる社会を」をビジョンに掲げ、老いや病気、障害、介護で人生が壊れない仕組みを作ることをミッションとしています。AIと24年の現場知見を活かし、家族・介護現場・自治体・企業の4つの現場に、必要な支援と仕組みを届ける「ケアする人を、ケアする会社」として、その活動に注目が集まっています。

「想ひ人ケアガイド」を今すぐ試すには?

「想ひ人ケアガイド」は、以下のLINE公式アカウントから無料で簡単に利用できます。

報道関係者の方や、自治体・企業との連携、実証にご興味のある方は、株式会社想ひ人のホームページよりお問い合わせください。

 


Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77