医療的ケア児・障害のある家族が自然体験を楽しむ「インクルーシブ親子キャンプ」

医療的ケアが必要な子どもや障害のある子どもを持つ家族にとって、キャンプや宿泊を伴う自然体験は、電源の確保や休憩場所、移動時の安全面、周囲の理解など、さまざまな不安から参加をためらうことがあります。このような「参加したいのに参加できない」という体験の格差は、子ども本人だけでなく、保護者や兄弟姉妹を含む家族全体の体験機会を狭め、孤立や心理的な負担につながる可能性があります。

認定NPO法人おれんじハウスは、このような体験格差をなくし、家族が自然の中で安心して過ごせるよう、「インクルーシブ親子キャンプ」を毎年開催してきました。2022年から続くこの取り組みは、参加した家族から「理解のある環境だったから安心して参加できた」「同じ立場の家族と出会えた」「家族のペースで自然を楽しめた」といった声が寄せられています。

インクルーシブ親子キャンプ2026

2026年は初の年2回開催!南足柄と鹿沼の2会場で実施

2026年は、これまでの実績をさらに発展させ、神奈川県南足柄市と栃木県鹿沼市の2会場で、初の年2回開催が決定しました。対象は、医療的ケアや発達上の支援が必要な子ども、障害のある子どもを含む、多様な子どもと家族です。特定の障害や支援の必要性がある家族だけでなく、誰もが同じ場所で自然に過ごせるキャンプを目指しています。

「医療的ケア児」とは

人工呼吸器や胃ろうなど、日常生活で医療的なケアを必要とする子どものことです。近年、医療技術の進歩により命を救われる子どもが増える一方で、在宅で医療的ケアを受けながら生活する子どもたちへの支援が社会的な課題となっています。

南足柄キャンプの詳細

  • 日程: 2026年9月26日(土)~9月27日(日)

  • 会場: CAMPiece南足柄

  • 所在地: 神奈川県南足柄市内山2586(旧北足柄中学校)

  • 主催: 認定NPO法人おれんじハウス

  • 参加予定人数: 約150~180人

  • 申込方法: 専用フォームから申し込み

鹿沼キャンプの詳細

  • 日程: 2026年11月14日(土)~11月15日(日)

  • 会場: スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ

  • 所在地: 栃木県鹿沼市上南摩町字沢口1901

  • 募集方法: 詳細が決まり次第、おれんじハウスのホームページおよびSNSで案内されます。

キャンプを楽しむ人々

家族が過ごし方を選ぶ「ジブン・キャンプ」で自由と安心を両立

本イベントでは、「居場所は共につくるもの」という考えに基づき、自由度と安心感を両立した「ジブン・キャンプ」が提供されます。参加者は、会場のイベントに参加することも、家族だけでゆっくり過ごすことも、途中で休憩することも自由に選択できます。「参加しない」という選択も含め、一人ひとりが自分らしく心地よく過ごせることを大切にしています。

当日は、参加自由・選択型のプログラムやイベントブースが設けられるほか、希望する参加者はイベント実施やブース運営に携わることも可能です。また、地域の高校生が「あそびリーダー」として子どもの遊びをサポートすることで、地域全体で多様な家族を理解し支える機会にもつながります。

看護師配置や電源環境など、安心の支援体制を整備

家族が安心してキャンプに参加できるよう、認定NPO法人おれんじハウスは、準備段階からきめ細やかなサポートを行っています。参加前には家族へのヒアリングを実施し、必要な医療的ケア、配慮、移動方法、食事形態、活動への参加方法などを確認します。

当日は、相談役および緊急時のバックアップを担う看護師が配置されるほか、横になって休めるスペースの確保、医療機器などに使用する電源・充電環境の調整、バリアフリーに配慮した動線の整備、兄弟姉妹へのサポート、急変時の支援体制の確保など、多岐にわたる安心の環境が整えられます。

小学生以下の参加費は無料!助成金を活用した支援

南足柄キャンプ、鹿沼キャンプともに、助成金を活用することで、小学生以下の参加費は参加プランにかかわらず無料となります。中学生以上の参加費は、宿泊プランが一人5,000円、日帰り・夕食付きプランが一人3,000円です。

南足柄キャンプは、東急株式会社の「東急子ども応援プログラム」の助成を受けて実施されます。

東急子ども応援プログラム

鹿沼キャンプは、コープみらいと中央共同募金会の「子ども・子育て支援助成~生活に困難がある子どもやその家族への支援活動を応援!~」の助成を受けて実施されます。

赤い羽根福祉基金

誰もが自然体験に参加できる地域づくりを目指して

このキャンプは、一度きりのレジャーイベントにとどまらず、これまで自然体験を諦めてきた家族が新たな一歩を踏み出すきっかけとなる社会的な取り組みです。開催後には参加者アンケートなどを通じて、初めて宿泊型の自然体験に参加した家庭数や、過去に参加を諦めた経験のある家庭数、安心して参加できたと感じた割合、兄弟姉妹の反応などを把握し、成果や課題を可視化します。

これらの情報は、自治体、企業、学校、地域団体と共有され、医療的ケアや障害の有無にかかわらず、誰もが地域の活動や自然体験に参加できる環境づくりへとつながります。地域や企業との協働を通じて、持続可能なインクルーシブ自然体験のモデルを育み、「すべての人が安心して生きられる社会」の実現を目指しています。

屋外イベントの様子

寄付・協賛・ボランティアを募集

本イベントは、助成金や寄付、企業・団体からの協力によって運営されています。医療的ケアが必要な子どもを含む多様な家族が安心して自然体験に参加できる環境を継続するため、以下のような協力が募集されています。

  • 寄付

  • 企業、団体からの協賛

  • キャンプ用品や飲食物などの物品提供

  • 広報、情報発信への協力

  • 当日の運営ボランティア

  • 専門職による協力

個人・法人を問わず、本取り組みに関心のある方は、認定NPO法人おれんじハウスまでお問い合わせください。

認定NPO法人おれんじハウスについて

認定NPO法人おれんじハウスは、「すべての家族に子育てのよろこびを すべてのこどもに“その子らしさ”を」をビジョンに掲げ、保育、発達支援、看護・医療などを通じて、子どもと家族を支援しています。年齢や特性にかかわらず、一人ひとりの育ちを地域全体で支えることを目指し、医療的ケア児の居場所づくりや、保育・医療・福祉の枠を越えた支援に取り組んでいます。

  • 団体名: 認定NPO法人おれんじハウス

  • 所在地: 〒221-0052 神奈川県横浜市神奈川区栄町1-19 グレイス横浜ポートシティ1階

  • 代表者: 理事長 中陳亮太

  • 設立: 2013年4月1日

  • 活動内容: 保育、児童発達支援、放課後等デイサービス、医療的ケア児支援、訪問看護、診療、相談支援、地域子育て支援など

  • URL: https://orangebaby.org/

インクルーシブ親子キャンプに関する詳細情報は、以下のページでも確認できます。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77