【GREEN×EXPO 2027】アグリ王が次世代循環型農業技術「閉鎖型アクアポニックス システム」を展示

2027年に横浜で開催される「GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)」において、株式会社アグリ王が開発した「閉鎖型アクアポニックス システム」が、横浜市出展の「建物空間を活用した発信拠点」で展示されることが決定しました。

この展示は、アグリ王の親会社である奈良建設株式会社が横浜市と締結した協賛契約に基づき実施されるものです。アグリ王と奈良建設は共同で開発した展示用のシステムを横浜市に貸与し、未来に向けた持続可能な食料生産技術を発信します。

横浜グリーンエキスポ会場図

「閉鎖型アクアポニックス システム」とは?水耕栽培と水産養殖の融合

「閉鎖型アクアポニックス システム」は、アグリ王が長年培ってきたLEDを活用した閉鎖型植物工場システムの技術を応用した、次世代の資源循環型農業システムです。

アクアポニックスとは、水耕栽培(土を使わずに水と養液で植物を育てる方法)と水産養殖(魚などを人工的に育てること)を組み合わせた、新しい農業の形を指します。このシステムでは、魚の排泄物を微生物が分解し、それが植物の栄養源となります。そして、植物が水を浄化することで、魚が生きるためのきれいな水が供給されるという、自然の生態系を模した循環が成り立っています。

閉鎖型アクアポニックス システムの概要図

上図のように、魚の養殖水が濾過され、微生物によって排泄物が植物の栄養に分解されます。その養分豊富な水でイチゴなどの植物が栽培され、浄化された水が再び魚のいる水槽へと戻る仕組みです。

障害者就労支援にも貢献!アグリ王の「農福連携」への取り組みと未来

アグリ王は、設立以来、安心・安全な食料生産と持続可能な農業の実現を目指してきました。その取り組みの中で、農福連携と呼ばれる、障害者等が農業分野で活躍することを通じて、自信や生きがいを持ち、社会参加を実現する活動に賛同しています。

アグリ王が提案する完全閉鎖型植物工場は、全国各地の障害者就労支援施設を中心に導入が進んでおり、障害者の方々が活躍できる場を提供しています。この「閉鎖型アクアポニックス システム」も、持続可能な食料生産に寄与するだけでなく、障害者の就労機会の創出や、農業分野における新たな働き手の確保にも繋がる可能性があります。未来の農業の形が、障害福祉の課題解決にも貢献する一例と言えるでしょう。

環境教育や地域交流、建物の価値向上にも期待される社会実装

「閉鎖型アクアポニックス システム」は、多岐にわたる社会実装の可能性を秘めています。例えば、環境教育の教材としての活用が検討されており、東京都市大学 環境学部 環境経営システム学科のアグリフード・システム研究室(木下 幸雄教授)と共同で、体験・協同型の教育プログラムの開発に取り組んでいます。

GREEN×EXPO 2027の会期中にも、横浜市出展「建物空間を活用した発信拠点」で子供向けのイベントが開催される予定で、気候変動や資源の枯渇といった環境問題を知り、理解するきっかけとなることが期待されます。

また、商業施設やマンションへのシステム設置も検討されており、施設への来場機会の創出や、入居者への癒やし効果、さらにはコミュニティ形成のきっかけづくりとして、建物の価値向上に貢献する可能性も考えられます。

閉鎖型アクアポニックス システムの社会実装イメージ

グリーンインフラとしての「閉鎖型アクアポニックス システム」

アグリ王と奈良建設は、「閉鎖型アクアポニックス システム」を、グリーンインフラの一つとして捉えています。

グリーンインフラとは、自然環境が持つ多様な機能(例:雨水貯留、ヒートアイランド現象緩和、生物多様性保全など)を社会基盤整備に活用し、持続可能な都市や地域づくりを進める取り組みです。このシステムは、循環型経済(サーキュラーエコノミー)の推進や環境負荷の低減を目指し、自然共生型社会の実現に貢献していくことでしょう。

GREEN×EXPO 2027で未来の農業と障害福祉の可能性を体感

GREEN×EXPO 2027での展示では、水耕栽培と水産養殖が一体となって資源を循環させる仕組みを、実際に見学することができます。魚・微生物・植物がそれぞれの役割を担う循環型の生態系が分かりやすく紹介され、持続可能な食料生産や資源循環の重要性を体感できる展示内容となる予定です。

この展示を通じて、未来の農業を支える循環型食料生産技術が国内外へ発信されるとともに、環境教育や建物空間を活用したグリーンインフラの新たな可能性が提案され、持続可能な社会の実現に貢献していくことが期待されます。

2026年8月25日に横浜市より発表された記者発表資料は以下をご参照ください。

GREEN×EXPO 2027の開催概要は以下の通りです。

  • 名称:2027年国際園芸博覧会 (International Horticultural Expo 2027, Yokohama, Japan)

  • 開催場所:旧上瀬谷通信施設(神奈川県横浜市瀬谷区)

  • 開催期間:2027年3月19日(金)~9月26日(日)

  • テーマ:幸せを創る明日の風景

  • 公式サイト:https://expo2027yokohama.or.jp/

アグリ王の公式サイト:https://agri-oh.co.jp
奈良建設の公式サイト:https://www.nara-const.co.jp/

「閉鎖型アクアポニックス システム」は、食料生産の新たな可能性を拓くだけでなく、障害福祉分野における就労支援、環境教育、そして地域社会の活性化にも貢献しうる画期的なシステムと言えるでしょう。GREEN×EXPO 2027での展示は、これらの多角的な価値を広く知らしめる良い機会となりそうです。未来の社会を豊かにするこの取り組みに、ぜひ注目してみてはいかがでしょうか。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
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