オスラー病とは?指定難病の現状と早期診断の重要性

オスラー病は、国の指定難病(告知番号227)の一つです。鼻出血だけでなく、肺、肝臓、脳など全身に血管奇形を引き起こす可能性があり、適切な治療やフォローがなされない場合、脳膿瘍や肺塞栓、重度貧血といった生命に関わる重篤な合併症のリスクがあります。

希少疾患であるため、医療現場でも十分に認知されているとは言えず、「どこの医療機関を受診すべきか」「日常生活でどうセルフケアすべきか」といった情報不足が、患者さんやご家族の大きな課題となっています。この情報格差を埋め、早期に適切な診断と治療へ繋げることが、患者さんのQOL(生活の質)向上において極めて重要です。

専門医と共に学ぶ!日本オスラー病患者学習交流会「2026大阪」開催概要

「日本オスラー病患者会「2026 IN 大阪」」と題された本交流会は、オスラー病に関する最新の知見を学び、患者・家族・医療従事者が直接対話できる貴重な機会です。2025年の開催に続き、今回も専門家を招いて行われます。

開催詳細

  • 名称: 日本オスラー病患者会「2026 IN 大阪」

  • 日時: 2026年7月5日(日)

  • 会場: J:COM中央区民センター

    • 住所:〒541-8518 大阪市中央区久太郎町1-2-27
  • 内容: 患者・家族・医療者の交流会、オスラー病に詳しい医師の講演

  • ゲスト: 大阪市立総合医療センター オスラー病外来(脳神経外科) 石黒友也先生

  • 主催: 特定非営利活動法人 日本オスラー病患者会

  • 助成: 本事業は「第14期 田辺三菱製薬 手のひらパートナープログラム」の助成を受けて実施されます。

  • 定員: 17名(先着順)

  • 申込方法: ホームページ参加フォーム、メール、電話にて受付

この交流会は、地域における医療連携の強化と、支援ネットワークのさらなる拡大を目指しています。

患者・市民参画(PPI)で未来を拓く:オスラー病患者会の取り組み

日本オスラー病患者会は、患者さんが日常生活で培ってきた実践的な経験やセルフケアの知恵を共有し、患者・家族・医療者・研究者の相互理解を深める「患者・市民参画(PPI)」活動に注力しています。このイベントもPPIの視点を軸に展開され、当事者の声を医療や研究、社会制度へ反映させるための重要なプラットフォームとして機能します。

理事長が語る交流会の意義と患者会の活動理念

日本オスラー病患者会の村上匡寛理事長は、「大阪で再び患者学習交流会を開催できることを大変嬉しく思っております。オスラー病は患者数が少ないため、地域で十分な情報や理解を得ることが難しい場面が多々あります。こうした交流の場が、患者さんやご家族にとって安心して相談できる場となり、医療従事者の皆さまとつながるきっかけになることを願っています。」とコメントしています。

日本オスラー病患者会は、オスラー病(HHT)の認知向上、早期診断の推進、適切な医療・支援につながる環境整備を目指して活動するNPO法人です。患者・家族への情報提供や交流の機会創出に加え、医療・行政・社会に向けた啓発活動を継続的に行っています。

オスラー病に関する最新トピックス:全国ツアーから早期診断まで

日本オスラー病患者会は、学習交流会「2026大阪」の開催だけでなく、多岐にわたる活動を展開しています。そのいくつかをご紹介します。

1. 6月は世界オスラー病(HHT)啓発月間 ― 全国5拠点での交流会ツアーがスタート

6月の「世界オスラー病啓発月間」に合わせ、患者会では全国5拠点(東京、札幌、名古屋、大阪、福岡、予定)を巡る学習交流会ツアーを開始しています。希少難病ゆえに地域間で生じている「情報格差」を埋めるべく、各地域の難病団体や専門医と連携を強化しています。

2. 患者の声を医療の未来へ ― 「患者・市民参画(PPI)」活動の本格化

患者会は、患者さんが単なる受療者にとどまらず、研究や医療政策のパートナーとして参画する「PPI(Patient and Public Involvement)」を推進しています。当事者が長年培ってきたセルフケアの知恵や、日常生活における課題をデータ化し、学会や研究機関へフィードバックすることで、より患者視点に立った診療ガイドラインの策定や、新薬開発、社会制度の改善に向けた提言を積極的に行っています。

3. 「鼻を摘まむのは逆効果」 ― 正しい止血法と医療連携の啓発

オスラー病特有の激しい鼻出血に対し、一般的な止血法(小鼻を摘まむ)は粘膜を傷つけ症状を悪化させる恐れがあるため、患者会では注意を呼びかけています。また、止血材「サージセル」が難病法に基づき本疾患への使用が認められていることなど、最新の医療情報を患者・医療従事者双方が正しく共有することを目指しています。安易な電気焼灼やレーザー治療を避けるための判断基準についても、交流会を通じて啓発を強化しています。

4. 2026年7月、日本HHT研究会と東京大学医科学研究所で合同開催へ

2026年7月には、日本最高峰の専門家組織である「日本HHT研究会(HHT JAPAN)」と患者会による合同ミーティングが東京大学にて開催される予定です。この合同開催は、医師と患者が対等な立場で議論を交わす画期的な試みであり、最先端の研究成果を患者へ届け、同時に患者のリアルな切実な声を医師・研究者へ伝えることで、オスラー病医療のさらなる進展を目指します。

5. 「診断まで63年」をゼロに ― 早期発見と社会保障の相談体制

理事長の村上氏自身、確定診断までに約50年を要し、脳卒中を機にようやく病名が判明したという経験を持っています。このような「診断の遅れ」による悲劇をなくすため、患者会では早期診断の重要性を訴え続けています。さらに、経営・ライフコンサルタントとしての知見を活かし、難病患者が直面する保険加入や就労、社会保障制度に関する専門的な相談支援も実施し、医療面だけでなく「生活の質(QOL)」全体を支える活動を展開しています。

参加申し込み・お問い合わせ

今回の学習交流会「2026大阪」は、オスラー病に関する理解を深め、患者さんやご家族が安心して交流し、情報共有を行うための貴重な機会です。定員は17名・先着順ですので、ご興味のある方はお早めにお申し込みください。

 

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77